エキゾチックなムード漂う民族パーカッション、フィールドレコーディング、
古いイタリアのライブラリー、図太いディープベースドラム、ダビーなベースライン、
ジャジーコードにTheo Parrishを彷彿とさせるような呪術的メロディーを取り入れ、
独創的なエレクトロニック・ミュージックを追求した意欲作!

Oneohtrix Point Never、Emeralds、Stellar OM Sourceを筆頭に盛り上がりを見せた
ニューエイジ/シンセ系アンビエントシーン。その後、数々のフォロワー的作品が多数産み落とされ、
やや食傷気味、興奮度も薄れているのも否めない。

しかしこの三者は、2011年に入ってから、耳新しいシンセスタイルの領域を切り開いている。
Oneohtrix Point NeverことDaniel Lopatinは、Joel FordとGAMES改めFord & Lopatin名義で
80sエレクトロ・ポップな路線へ踏み出し、EmeraldsのメンバーJohn ElliottはEditions Mego内に設立した
Spectrum Spoolsからミニマルで、ある種ダンスミュージックな展開を打ち出し、
Stellar OM Sourceに至っては全面にマシンビートを打ち込み、あたかもデトロイトテクノな方面へ傾倒して行った。

このTheAwayTeamの新作も同様に、前作までの美しいミニマル・シンセアンビエント/ドローン路線から
がらりと変わり、未来と古代が響き合うドリーミーでトライバルな趣向に挑んでいる。
これはレコーディング中に読んでいた、『アラビアン・ナイト』からの影響が色濃いようだ。


[ ジ・アウェー・ティーム PROFILE ]

「Polysick」名義で、Legoweltが主催するStrange Life Records、
ローマを拠点とするMinimalRome、ネットレーベルSwishcotheque(SFV acidとのスプリット)から
リリースし、Com Truise、SLEEP ∞ OVER、C V L T S、Stellar OM Source等のPVを手掛ける
映像プロジェクト兼VHS/DVDrレーベル「AAVV」のメンバーでもある、
イタリアのPaul Kersexによるサイドプロジェクト「TheAwayTeam」。

「Polysick」では、アナログシンセ / リズムマシンを基調としたアシッドハウス・ラインをフィーチャー
しているのに対し、この「TheAwayTeam」ではプリミティヴで浮遊感溢れる異空間世界を描いている。

この名義では、Bumtapesから2010年に即完売となった、Panabriteとのスプリットテープ
(2011年にHooker VisionからCDrで再発)や、
幻想的映像にフューチャリスティックなサウンドを合わせたDVDr「Relax&Sleep」を
SturmundragsRecordsよりリリースしている。

2011.7.11 に仙台とリーズ(英国)を拠点とする△ICASEAより発表された
震災復興コンピレーション「Benefit Compilation for Japan」への参加、
フランスのエレクトロ情報発信地「Valerie」へのDJ Mixを手がけるなどして飛躍中のPolysickに、
イギリスのビッグレーベルから熱い視線が注がれており、来年早々にもアルバムを発表予定とのこと。