昨年、全世界デビューを果たし、ソニック・ユースやピアノ・マジックにも絶賛されたバンドANOICEのコンポーザーを務めるキド・タカヒロによる初のソロ・アルバムが登場!映像を喚起させるシネマチックな美しい旋律と音響。思わず熱いものが込み上げてくる衝動的なエモーション。モグワイ、ワールズ・エンド・ガールフレンド、ハシモト・カズマサ等を彷彿とさせるが、そのどれでもない。エレキ・ギター、ドラムスからバイオリンやチェロなどのクラシック楽器を使い、廃墟、ホテルのロビーなどあらゆる場所の「空気感」を取り込んで制作された壮大な名作です!
<キド・タカヒロ本人によるアルバム解説>
まず"Fleursy"という言葉についてですが、フランス語で花を意味する"Fleurs"に、英語の形容詞の最後によく付いている"y"を加えた造語です。なので"Fleursy"の意味は「花のような」あるいは「花っぽい」といった意味合いになりますね。ちなみに"Fleurs"という言葉自体は、僕の敬愛する画家ベルナール・ビュッフェの作品名から拝借しました。
花に暖色系の色が多いように、このアルバム"Fleursy Music"に収録された楽曲もまた暖かい音で構成されています。それは楽曲の多くの部分が、アコースティック楽器によって成り立っているからだと思います。また、電子音についても、そのほとんどがアコースティック楽器、もしくは環境音を加工して作られています。例えば、持続音を収録するためにピアノの弦に電磁波を当てたり、低音を得るために水の入った袋にピックアップを付けて音を増幅させたりです。この生の楽器の音色と、少しの電子音の融合こそが"Fleursy Music"を制作する上での指針となっています。
制作方法は第一に、頭の中で浮かんだメロディやコードなどのアイディアをレコーディングする事から始まりました。その後、必要な楽器を判断して、各楽器の演奏家のためにスコアを書き、トラックを重ねていきました。ほとんどの楽曲は古いクラシック音楽と同じく、シンプルな構成で書かれています。これは僕が作曲をする上で、近代フランス音楽や北欧の現代音楽などに大きな影響を受けたからでしょう。規制や抑制の中にこそ、芸術的自由(あるいは視聴者に対する主観的判断の許可)が存在するのです。
レコーディングには野山やトンネル、廃墟になったホテルのロビー、コンサートホールなど様々な場所を使用しています。生のリバーブや、温度が楽器に影響を与え生み出す空気感(場所の持つ力)は、決してコンピューターで得られるものではありません。例えば"Fleursy Music"で聴く事ができるオルガンの多くは、東京郊外の森のそばの一軒家に置いてあった足踏みオルガンによるものです。散歩している時に偶然発見し、頼み込んで一晩泊めてもらったのですが、とても静かで暖かい音色を録る事ができました。
また、自然の中には実に様々な色(音)が含まれており、多くの場合それらの色(音)が幾重にも重なった結果、空気が作られています。そのため自然を具体化、あるいは抽象化して別の形(スタイル)に置き換えた時に、聴衆は個人的感情を手にできるのです。もちろん、その容器にはある程度の空白が含まれており、受け手がその空白を各々の精神的状態で埋める事が重要ですが…。例えばスクリャービンはCの音程に感じる色を「赤」、コルサレフは「白」と全く異なった回答をしています。そしてGに至っては、「バラ色がかった紫」「茶と緑の中間」という、かなり個人的な感情移入がされたと思われる結果になっています。しかし、それこそが"Fleursy Music"における「場所の持つ力」を利用したもう一つの大きな理由なのです。
それとコンピューターで波形の切り貼りなどを行い、リズムを作り出した楽曲が多いのもこのアルバムの特徴です。多くのトラックで、ミニマムミュージックやアンビエントミュージックに影響を受けた、比較的オーソドックスな方法を取りました。この作業では偶然性を楽しみながら、コンピューターでしか表現できないグルーヴを組み立てています。
このような制作を続けるうちに100を超える膨大な楽曲が完成し、その中でも強い関連性を持つ10曲を収録したのがこの"Fleursy Music"です。しかしながら、このアルバムは多くの心優しい演奏家の友人達や、PLOPのみなさんの支え無しには完成し得なかったと思います。そんなわけで、最後に感謝の意味も込めて演奏家と楽器名を記載しておきます:
Takahiro Kido : Piano + Guitar + Programming + Glockenspiel +
Melodion + Organ + Accordion + Flute
Yuki Murata : Piano + Organ + Voice
Jyunko Tabira : Violin
Utaka Fujiwara : Viola + Music Box + Voice
Mituko Arai : Cello
Takahiro Matsue : Bass + Tenor Sax + Voice
Masaya Sato : Guitar
Tadashi Yoshikawa : Drums + Percussions
Hideharu Masai : Programming
| Track List:(全10曲) |
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01. Y |
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02. Smile - Spotter Chronicle |
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03. Poco! |
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04. Milk Tea |
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05. You Lost What? |
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06. Landscape with Snow |
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07. The Gentle Afternoon |
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08. Christmas Song |
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09. Izze |
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10. Good - by ... |
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